普通の事としてのリノベーション        


望月です。田中君に続きまして、スタジオ8で学んだことで、僕なりに印象に残った事をコラムとして書かせてもらいます。
 「景気が上向いてしまった現状で、会社をどういう方向にシフトチェンジしていくつもりか」という、リノベーションの実務をしている方に聞きたかった疑問を投げかけてみました。質問には「シフトチェンジをするつもりはない。リノベーションに対する社会の注目度はここ最近で減ってしまったが、仕事は依然としてある。リノベーションは古くから皆してきた事で、これからも自然な事として続く。仕事として続けるのには困らない。」という返答を頂ました。
この返答は当たり前のようで、なかなか印象的でした。学生の僕達は社会現象に敏感についていこうとする。だから社会の波が変われば追いつこうとする。それなのに、理論上リノベーションが廃れてきて、学生の僕達が「リノベーションで何ができるのか」と頭をひねらせている一方で、実務をしている方に言わせれば「仕事はあるから」ということらしい。
 またそれとは逆に時代に合わないものが未だ続々と建っているとも言っていました。例えば20㎡程度のオフィスビルなど。「現代はITの進歩で、隠さないとならない情報なんてほとんどない。事務所に大金を置いている時代でもない。セキュリティーもしっかりしている。それなのにどうして未だにそんな小さな事務所がたくさん」建つのか。スペースを分ける意味がない。俺だったら事務所スペースを共有して大きく使いたいけどなぁ。」と言っていました。
 リノベーションが時代に合っているのかどうか、というと現状ではリノベーションでそれほど合っているとも思えない。
そもそもリノベーションを社会の流れの中で、コストやエネルギーやライフスタイルを混ぜ合わせて捉えようとするから方向性が見えてこないのかもしれない。岩本さんが言うように「普通の事」だから理論に反してリノベーションが続くのであって、田中君が言うように身近な所を出発点としたものがリノベーションというものかもしれない。