実際にリノベやっちゃおうプロジェクト2006(仮)

担当:川島、小見山、ケイカ、カイ、市村
(文責:甲斐)


前回のDECo会ミーティングでも簡単に話をさせてもらったのですが改めて木匠塾の活動をこのプロジェクトの文脈に沿う形で簡単に書いてみたいと思います。
木匠塾というのは1991年〜現在まで、姿形を変えながらも全国数カ所で行われてきている山村地域における木造建築実習の事で、僕は岐阜県中津川市加子母で行われている加子母木匠塾に千葉大学安藤研究室の一員として今までに二年間参加してきています。
運営方法等に関しては少し複雑で今回の話とはズレるので省略させてもらいますが、木匠塾を参考にセルフビルドという行為そのものについて



セルフビルドというからには自分達で設計〜施工までを行う事だと思うけども、普段簡単に図面で柱と梁の取合い等を描けても、それを自分達で施工するという事になれば話は全く変わってくる。図集を参考にディーテールを描いてもそれが自分達で施工出来るかどうかは別の問題。
と、以上の事はセルフビルドを行う上では当たり前の事だけども



参考例に昨年僕らが、木匠塾で行ったプロジェクトの事を書くと
学生側から提案する形で
岐阜県中津川市加子母において、小中学生の通学路にあたる広い空き地に登下校時の子供達や地元の方々が集まる事の出来る休憩所をつくる事になった。
僕らが提案したのは東屋に近い構造体で、雨はしのげないが日陰の出来る構造体。そのデッキ中央部分にはあらかじめ穴が穿いてあり、その部分にイロハモミジを植樹するというもの。
普通の住宅であれば屋根を葺き、回りには庇の様なものを取り付ける事で構造体を雨から守る事ができるが、木匠塾の制作物に対する予算は普通の住宅等に比べ、微々たるものであり、小規模。
実際に過去の作品では防腐剤塗布等は行っているものの、制作から5~6年で腐ってしまい立ち入り禁止等の措置がとられているものもあるのが現状である。
話を戻すと、僕らはその休憩所をはじめから解体を前提に設計を行った。主要な接合部は木加工のみでなくボルトで接合しているので脱着可能(ボルトの理由は僕らの施工精度の問題もあるが)
制作物の完成とほぼ同時にイロハモミジを植樹し、皆が集まる場としてその休憩所は機能しはじめる
皆に見守られる形でイロハモミジは成長を続け
構造体にメンテナンス(定期的な防腐剤塗布等)を行う過程で、寿命が来る前にその解体時期を決める
時期が来た時に解体し、デッキ材等の板材は難しいが、使える部材(断面の厚い105角の柱など)は他のプロジェクト等に転用する
解体後には成長したイロハモミジだけが残り
人がその場に集まり休憩するという行為が形を変えて残る
というもの。
昨年完成し、現在進行形のプロジェクトです。



環境的視点や経済的視点から、腐る事を分っていながら何故建てるのかという矛盾を孕んでいるが、それ自体に関しては木匠塾として考える問題なのでここでは触れないが



木匠塾で僕らがつくったものは上記の点から、社会性の欠如した少々詩的な提案で、直接参考にはならないけども、DECoとしてリノベ等のセルフビルドを行う場合に、ただ作って終わりの自己満足ではなく、DECo的な意思表示のあるデザインが無いと説得力に欠ける気がします。



具体的なものは何一つ無い状況ですが、そういった事も考えながらこのプロジェクトを進めて行きたいと思っています。