PisoComodo×DECo@IFFT-3


展示ブースイメージ


三井です。
7/15に福岡にあるピソコモド本社へ行ってプレゼンをしてきました。
コンセプト段階ですが、なんとかOKが出て、IFFTに出展できることになりました。
これからは使い方のイメージをはっきりとさせて、具体的な素材を決めていくことになります。

コンセプトを昨日のDECo会でも話しましたが、改めて紹介しておきます。


■context - ゆかと畳

<くつを脱ぐ文化/ゆかの役割>
スタディしていくうちに、畳だけではなくより大きく捉える必要があるな、と思って生活のレベルから考えました。
日本ではくつを脱いでゆかに上がるため、床は歩くだけではなくて、すわったりねそべったりということが当たり前に行われています。昔の吹抜屋台の絵をみても、最小限の設えで空間ができていて、生活がくりひろげられていたことが想像できます。
それに対し、現在は、フローリング+家具という、家具を置くことで空間をつくっていくスタイルです。


<家具的であった畳>
畳はもともとは寝具であり、ベッド的に用いられるか、あるいは座布団のように必要なところだけにしつらえる、という形でした。それが次第に部屋全体に敷き詰められるようになり、ゆかをうめつくす状態になります。


<異なる素材の組み合わせ>
畳は、畳表(い草)と畳床(わら/インシュレーションボード/スタイロなど)という異なる素材が組み合わさって構成されています。表、床がそれぞれ異なる性格を持っていて、それが組合わさることによって畳は多様な性格をみせます。


<織られている(集合体である)>
畳表は織られたい草です。面の材では単一の表情であるのに対して、織ることによって、さわり心地や表面の見え方が変化し、いろいろな表情をみせます。

<さまざまな使われ方>
畳が、すわったり、ねころんだり、あるいたりという様々な行為を許容します。
「異なる素材の組み合わせ」「織られている」ということによって、
あるときは畳の柔らかさが、あるときは畳のさわりごこちが、またあるときには断熱性が、効果を発揮します。


このような畳の捉え方をしたときに、テーブルや椅子に畳表をはりつけるプロダクトを考えると、それは畳の良さに頼って、引用として用いているにすぎず、畳以上のプロダクトとはなりえないんじゃないかな、と思って、
畳の触り心地やふみ心地をまねるではなくて、まったく新しい触感をもった床材をつくろうということになりました。



■design - 家具を平面化する

<家具をゆかに還元する/ゆかでの生活>
日本ではくつを脱いで生活しているということをふまえて、もう一度ゆかでの生活ができないだろうかという提案です。家具をゆかに還元して、フラットな床面を家具として扱う。最小限の設えですっきりと暮らすことができるんじゃないかと。


<抽象化される機能>
家具がひとつの機能だけを満たしていたのに対して、ゆかへと平面化すると、複合的な機能が求められる。
ゆかではあるいたりもすわったりするわけで。そうすると、良い意味で機能は曖昧になって、家具につかわれていた素材をそのまま床面におとしこむだけでは十分でない。
テーブル的につかえる固さであったり、ソファのようにねそべることのできるやわらかさであったり。


あるく
 
たたみにすわり、金属のゆかをテーブル的につかう

毛糸のゆかにねそべる


<素材のもちいかたー畳に学ぶこと>
contextで書いた、「異なる素材の組み合わせ」「織る」ことで複合的な機能をもっていた、という点を畳に学ぶ。
家具を平面化するにあたって、複合的な機能をもたせるために、異種素材を組み合わせ、織ることにしました。


<統一性、視覚をリセットする>
色は全部白で統一しました。
一つには、視覚ではなくて触覚や匂いを感じるという狙いがあります。
もう一つは、色を統一することで、体裁としては「白、織る」で一見おなじようでも、素材の違いによって微妙な陰翳が変わってきたりするんじゃないかな、という狙いです。

    
いろいろな素材、(順番に ひも、畳、革、毛糸、スチールワイヤー)


<プランニング>
部屋全体に敷き詰めることを想定しています。
家具は床へ還元され、バリエーションをもった床での生活が可能になるのではないだろうか。
また畳のモジュールは保つことで、季節やライフスタイルの変化によって敷きかえていく。
半分くらいが畳で、もう半分くらいが平面化された家具。


八畳の空間にしきつめてみる



■next - 今後

<大きさ>
今は半畳でやっていますが、機能によってはちょうどよい大きさが違うかもしれない。でも畳のユニット性は残しておきたい気持ちもあります。


<素材の追求、選定>
ある程度具体的な使い方やライフスタイルを想定して、素材を選んでいく必要があります。
異種の素材を組み合わせることで、これまでにない触感が生まれたりすると思うので、ひとつひとつの素材自体は新しい物でなくてもいいかな、と思っています。


7月末を目処に具体的な素材の選定、8月中旬には素材を決めて、作って試して行きたいと思います。
まだまだコンセプト段階なので、こんな素材おもしろいんじゃないか、とか、こんな床があったらいいなというのがあったら気軽に提案してください。