サステイナブル?アンチ・サステイナブル?…ILEKのプロジェクト

岩元です。アップが1日おくれてごめんなさい。


現在所属する、シュトゥットガルト大学軽量構造設計構法研究室(通称ILEK)での、近年のプロジェクトについて。


ILEKでは、近年アダプティブな構造への関心が高まっています。
例えば、ある橋のデザインでは、センサーによって橋への荷重の変化を捉え、橋脚(ピン・ローラー)を変形させることで、水平をたもちます。このアイデアによって、通常は厚み-スパンは限界1:50くらいであるのに対し、1:200の橋が可能となりました。


また、回転することで、形態を保ち、風圧力などにも対抗するアンブレラのプロジェクトもあります。傘をささえるリブが省略され、軸だけで成り立つ構造体です。


これらのプロジェクトに共通するのは、外からのエネルギーを使ってでも、構造体を軽くしたい、という狙いです。
これは、デコにとってはどういうことを意味するのでしょうか?
軽量体にする、という意味では省資源、省エネルギー(建設・運搬なども含めて)となります。ただ、常にセンサーとアクティブな構造システムを用いるという意味では、エネルギーを必要とします。


ILEKでは、おそらくそこまでサステイナビリティーなどを考えてプロジェクトをやっているわけではありません。とにかく軽くしたいよ!というエクストリームな研究室なのだと思います。
もし、エネルギー問題が解決に向かったら?などなど、未来には何が起こるかはわかりません。
研究は、幾つかの制約条件を取っ払って、究極的な条件下(ILEKの場合は軽量性)で行うのもいいかもしれない、と思いました。(松村さんがそんなことを言っていましたね)デザインの場合は、現実的与条件を統合していく醍醐味が強いわけですが。


おわり