暑さに慣れる:アダプティブ・モデル


夏至も過ぎますます暑くなってきましたね。蒸し暑くて不快な日ごろの生活でブツブツと考えてきたことを書きます。


yahoo!天気によると昨日の最高気温は28.8℃で、確かに外は暑かったけど、自分が頭で予想したほどには暑くなくて、あんまり汗かきませんでした。
昨日はTシャツの上に襟付の半袖シャツを着てたのですが、上のシャツの脱ぎ着で上手く調節できてたのかもしれません。


多分二ヶ月前に同じ気温だったらもっと暑く感じてただろうし、汗もたくさんかいただろうなと思います。その頃だとTシャツ一枚で街を歩くのに抵抗もあるから汗かいても上着は脱がなかっただろうし。
この1ヶ月くらいでだんだんと心も体も行動も暑さに慣れてきたのかなぁと感じます。


そういうことをちょっと学問的に”アダプティブ・モデル”の観点から分析したいと思います。

アダプティブ・モデルを簡単に説明すると、熱的快適性を測る際に人間の環境への適応を考慮するという考え方で、従来の快適温度基準を決める指標とは少し視点が異なるものです。

そこでは環境への適応を①行動的適応、②生理的適応、③心理的適応の3種に分類しています。

これだけだと分かりにくいと思うのですが、

上に書いたことをアダプティブ・モデルに当てはめると、


上着のシャツを脱ぐ =①行動的適応

汗をかかなくなる  =②生理的適応(順応)

暑いと思わなくなる =③心理的適応


となります。(②で(順応)と書いたのは②の生理的適応には中長期にわたる熱的刺激によって生理的な熱調節の設定値が変わる順応と、個人および集団における遺伝的に継承される遺伝的適応があるからです。)

例えが下手で申し訳ないけど、アダプティブ・モデルの概要は分かっていただけたかと思います。


さて、空調というと均質な環境を作ることが理想とされがちですが、アダプティブ・モデルでは個々人に合った環境を設定できることが良いということになります。オフィスのタスク・アンビエント空調などもアダプティブ・モデルの理論が取り入れられています。


均質な環境が理想とされると、建築はただの箱として扱われて、環境は設備で調節するものとされてしまいがちですが、適応可能な環境を理想とすると、窓が開けられるとか、周りよりも暖かい場所、ひんやりした場所があってそこに移動できるということも重要になるので、建築をデザインする上では面白い考え方なのではないかなと思います。
そういう意味でDECoメンバーには是非知っておいてもらいたいと思い紹介しました。

雑文になり、すいません

(文:大西直紀)