ピソコモド


カワシマです。昨日はコミヤマが畳表に関して書いてくれました。今回は畳床についてです。


百科事典には以下のように書いてあります。畳床は、乾燥させた稲藁を強く圧縮して縫い止め、厚さ5cm程度(標準的には5.5cm)の板状に加工するのが最も伝統的な製法であり、藁床(わらとこ)と呼ばれる。稲作の副産物として生じる稲藁を有効に活用したもので、適度な弾力性、高い保温性、室内の調湿作用や空気浄化作用など高機能をもつ。


しかし、近年では材料の入手が困難であること、製造が難しいこと、重くて取り扱いが面倒であること、ダニ等の害虫が繁殖しやすいこと、カビが生えやすいこと、などの理由から新素材が利用される場合が多いそうです。例えば、木材のチップを圧縮成形したインシュレーションボードや発泡ポリスチレンを単板あるいは積層させたもので、建材畳床(けんざいたたみどこ)、または化学床(かがくとこ)と呼ばれるものがあります。これらは安価で軽く、階下への防音性能に優れるが、踏み心地や通気性では藁床に及ばないと言われています。


これらの新素材による畳床の開発はどれも、別の素材で「藁床のような」感触をだすことを追求しているものです。ピソコモドでのプレゼンの後、ピソコモド本社内の製品展示場を案内してもらいましたが、紹介された商品の中に、床に新素材を使うことで「藁床とは一味違った良さ」を出そうとしているものがいくつかありました。藁ではなく、イグサを畳床に使うこうとで、踏むとシャリシャリするという新しい感触の畳もありましたし、半畳、厚さ2.7cmの置畳シリーズの中には、床に低反発クッションを使っているものもありました。また、さらにやわらかい綿のようなものをパイプ状のイグサに袋に詰め、それ連ならせている敷物のようなものもありました。


藁床は、固すぎず柔らかすぎず、歩くも座るも寝るもよしのオールマイティさが特徴です。それに対して、たとえば低反発クッションを畳床として使用している畳は、藁畳と比べたら歩きづらいんですが、歩けないことはないし、寝そべることにはより向いているわけですね。「寝そべる」という行為に、性能が少し「偏っている」わけです。でも、同じ床面なので、上を歩く事もできるんです。畳に、ある程度のオールマイティさは残しつつ、ある行為に少し偏った性能を持たせる。そうすることで新しいライフスタイルが生まれるのではないか。そんなとこに可能性を感じています。これは畳表との組み合わせでさらに可能性は広がりますね。